世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」
更新日:2018年03月15日

五ヶ瀬町、高千穂町、日之影町、諸塚村、椎葉村が2015年12月、「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」として、国際食糧農業機関(FAO)により世界農業遺産に認定されました。
2014年3月各町村と関係団体は、世界農業遺産認定を目指し「高千穂郷・椎葉山世界農業遺産推進協議会」を結成し、本地域で伝わる伝統的な山間地農林業(山腹水路と棚田、木材生産、シイタケ栽培、肉用牛生産、茶栽培、焼畑など)と伝統文化について世界農業遺産認定を目指し活動を行いました。
世界農業遺産に認定されたことによって、農産物のブランド化、地域を訪れる人の増加等の地域活性化が期待されています。
そのためにも地域の農林業の魅力を世界にアピールすることや、地域を担う人づくりを進めることが今後大切となってきます。
世界農業遺産とは
(Globally Important Agricultural HeritageSystems:GIAHS)
国連食糧農業機関(FAO)が伝統的農業・農法(林業、水産業を含む)や農村文化、景観などの保全・継続を目的に認定する制度。
2002年から始まり、これまでに世界14ヵ国32地域が登録されている。
高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム

焼畑
椎葉村で行われている、伝統的な焼畑は日本で唯一の貴重な事例と言われています。
伝統的な焼畑は、古くは日本各地で行われていました。焼く場所を毎年移し、4年程度穀類を栽培した後、休閑期を設け森林を再生させる循環型農業です。
木材生産とモザイク林の形成
諸塚村では森林を保全管理する伝統が続き、全国有数の木材産地となっています。
スギ等の針葉樹林、シイタケ原料となる落葉広葉樹林、常緑の照葉樹林の組み合わせによる特徴的な森林景観はモザイク林と呼ばれています。
1,800haの棚田と500kmの山腹水路網
本地域は総延長500km以上の山腹水路網と、1,800haを超す棚田が造成さている日本を代表する棚田地域のひとつです。
その他様々な伝統的な農林業
日本における発祥の地と言われるシイタケ栽培、山茶からの伝統と日本一の生産量を誇る釜炒り茶、地域で採取した粗飼料を与え少頭数を大切に育てる伝統を受け継ぐ和牛生産など、本地域は山間地の環境で育まれた、特徴的な農林業を維持しています。
地域の絆と伝統文化
農林業を通じて生まれた地域連帯の中で、神楽など特色ある伝統文化が継承され、さらに地域の絆が強められています。
人づくり
豊かな森林資源を活用した地域づくり「フォレストピア構想」を掲げ、全国初の公立中高一貫校として五ヶ瀬中等教育学校を設立するなど、次世代を担う人づくりに取り組んでいます。